今夜 小野寺史宜 読書感想

現代文学

おはようございます。かすみです。

小野寺史宜さんの作品を読むのは何冊目かな?

淡々と進んでいく物語。登場人物の軽快な会話。

ありふれた日常の中の小さな気づき。

人と人との繋がり。

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小野寺さんの作品の特徴をあげるとそんな感じ。

最新刊の’今夜’はちょっと違う。いや、ぜんぜん違う。

音楽もないし、ロックもないし。

今までの、小野寺史宜さん作品を読んでじんわりとした気持ち。

そんな気持ちにはなれない。

「今夜」か、今まで読んだ作品とは一味違った小野寺史宜さん作品でした。

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直井蓮吾の夜

プロボクサーの直井。

所属ジムにも行かず、職場にも行かず、彼女とも会っていない。

ボクサーとしては堕落した生活を送っている。

あることをきっかけにもう一度ボクシングも仕事も頑張ろうと思った。

その矢先に、酔っぱらいに絡まれてしまう。

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立野優菜の夜

タクシードライバーの立野優菜。

一度5千円弱の駕籠抜けをされたことがある。

   タクシー業界での駕籠(かご)抜けとは?

   お金を取りに行ってくると言って、取りに行ったままお客さんが戻ってこないこと。

その時に立野優菜は、会社に報告せず自分で払った。

その後、乗客のボクサーが5千札と思って1万円札を出す。

優菜は、わかっていながらそれを受け取る。

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坪田澄哉の夜

巡査長の坪田。

江戸川区の署に移ってから暫く経つと、非番の日には昼間から飲むようになった。

そして、寝て起きて飲む。

そして、遂に反射的に奥さんの頬を打つ。

自分の中に暴力の芽が出たことを自覚する。

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荒木奈苗の夜

坪田澄哉の妻で国語教師の奈苗。

夫の飲酒のせいで少しずつ夫婦の関係がおかしくなったと感じている。

夫に頬を殴られた日、もう無理だと思う。

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その後

それぞれの夜が描かれた後に、それぞれの迎えた朝が書かれています。

荒木奈苗の朝、坪田澄哉の朝、立野優菜の朝、直井蓮児の朝。

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感想

小野寺史宜さんの作品’タクジョ’でも、

主人公が1度駕籠抜けをされてしまうシーンが有りましたが、

その時は迷った挙げ句にちゃんと上司に報告した。

今回の籠抜けを上司に報告しないのは何だか小野寺さんっぽくない。

ま、同じにしたら小説家としてどうなの?という感じになっちゃうし、

物語はそれがあって繋がってるという部分もあるから駄目じゃないんだけど

ただ、陰な印象を受けました。

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ちなみに私は、小野寺史宜さんの作品の3分の1から半分くらいしか読んでいないのですが、

’タクジョ’は私が今まで読んだ小野寺史宜作品で好きな作品の上位。

’タクジョ’は陰か陽でいったら陽の作品なんですよね。

この’今夜’という作品は、陰か陽で言ったら陰の作品。

小野寺史宜さんの作品は陽の作品が多い。陽というとちょっと語弊がありますが、

影を感じない作品が多いのです。

この作品と、夜の側に立つの2作品は影があるんですよね。

あえての影なのか。夜って付くからなのかしら?

あえての夜なのか。そんな事を思った作品でした。

最後まで読んでいただきありがとうございます。

かすみ。

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